父の背中

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その背中に、なんだか違和感があったのだ。 なにが、とは言えない。 ただ、いつもはガッシリとして逞しい父の背中が、 どこか寒々しい感じがする。 タオルで髪を拭きながら、その違和感の正体を探す。 なかなか答えが出ないまま見つめていると、 テレビの画面がぷつっと消えた。 父は、動いた気配がない。 リモコンは、少し離れたテーブルの上にある。 なぜ画面が消えたのだろう。 私は不思議で仕方なかったのに、父は微動だにしない。 ああ。 やっぱりおかしい。
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