再会

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再会

「や、んぅ...あっ。待って小野さん。俺が動く。」 薄いシルバーの髪が揺れる。 白い肌に傷だらけの手首と太腿、太腿の間に小野と呼んだ中年男性のモノを挟み壱は自分のモノに擦り付けるように腰を動かす。 執念に、壱の乳首をハァハァと息を荒げながら吸い続ける小野のモノの先を手のひらで擦っり、耳元で囁く。 「ん、きもちっ」 「ぼ、ぼくも。もう逝きそう...」 「逝って。俺にかけて。」 「うっ」 小野の白濁とした液体が飛び散り、壱はそれをすくい上げ口に運んだ。 「今日も濃いなー。小野さんの。」 「はじめくんに会えるからって1週間も前からもオナ禁したからね。」 はぁはぁといきを整えながら額の汗を拭う小野がチラリと壱のモノに手を伸ばした。 「ゆうくんのことも逝かせてあげる。」 そう言い伸ばされた手を掴み、壱は小野にキスをする。 「ん、あっ...もー時間来るからシャワー行こ?」 「残念。」 ピピピと、タイマーの音が響いた。 シャワーを浴び、身支度を整えた壱は再度小野にキスを送りまた。と伝え先に部屋を出る。 小汚いエレベーターにのり、1階に降りるとエレベーターの汚さとは裏腹にきれいに貼られた壁紙とカーペット。大きなパネルに部屋のディスプレイが映し出され、空室だけが光っている。 所謂ラブホテルというもので、受け付けの前を横切ろうとすると、いっちゃん。と呼び止められ、受付の小さな小窓から、男の手が手招きしている。 いつものことだ。とその手招きに従い関係者しか入れない受付の扉を開く。 そこに居たのは長い青髪を一つにくくり、黒いマスクをした男。相原隼斗26歳このラブホテルを、親から譲り受けて経営者の立場だがバイトの穴埋めなどでたまに受付に入っている。 「なんすか、隼斗さん。」 「いや、さっきまで迎えの車来てたんだけどなんか、他の子がなんかあったみたいでそっちに行くから少し待たせておいてほしいって言われたんよ。」 隼斗の言葉に壱は仕事の携帯を確認した。 メールが入っており、今の所予約ないから落ち着いたらすぐ迎えに行く。との内容だった。 壱は、出張専門の男性向け風俗店で働いており、小野はその客である。 本明八百壱、いちだからはじめと安易な源氏名である。 隼斗のホテルは男同士でも入れるため先代から壱のオーナーと仲良くしていた。 「今日も小野さん昼からっしょ?」 「はい。最近毎週8時間ですね。ありがたい事に。」 「前のお気に入りの子辞めてからお気に入りなかなか見つからなかったから嬉しいって、パートのおばちゃんが言ってた。」 ヒヒッと、目をくしゃりとさせて笑う隼斗に壱はなんと返事をしていいかわからずへぇ。とだけ返した。 ティンっとエレベーターが開く音がしてしばらくすると、先程まで壱と共にいた小野が受付を横切りホテルを出ていく。 「あ、タバコ吸っていいかんね。お客さんきたら消してくれれば。」 自分の煙草に火をつけて、灰皿を壱の近くにずらす。 「あざす。そういえば、隼斗さん来週のうちのオーナーの誕生日会くるんすか?」 「あー、行くよ。母さんと父さん行けないから代わりに。俺あの人苦手なんだよなぁ。」 ガシガシと頭を掻き天井を見上げ煙草を吸う隼斗に共感を覚えた壱はそれを言葉にはせず、煙草に火をつけた。 「あっ、てか!いっちゃんも今月で20歳っしょ?」 「あ、そうっすね。」 「誕生日も仕事?」 「はい。小野さん予約入ってるし。」 「予定なければ、終わったら飲みいかない?俺の誕生日プレゼント貰ったし。俺にもお祝いさせて。」 「え、いいんすか!嬉しいっす。予定なくて一人で飲み行こうと思ってたんで。 プレゼント言っても、タバコだけなの申し訳ないですけど...」 「いーのいーの。俺これでも取締役社長だから。」 ふふん。と胸を張り威張る隼斗。 「ならごちなります!」 壱は嬉しそうに、首をこてんと横に傾げた。 「んー、やっぱり。身長高いのに可愛いよね。いっちゃんは。」 壱の身長は179cmあるがそれでも線はほそい。 性格や喋り方もどちらかというとヤンキー気質で、現役高校生の犬っぽい小さな男の子聡と付き合っている隼斗に可愛いと言われたことに、喜んでいいのか不安そうな顔をする。 「あぁ、変な意味じゃないから。俺聡1筋だし。し。」 「知ってますよ。聡くんに比べたら俺なんて可愛くねーっすよ。よく可愛げがたりないって、オーナーに怒られるんすから。」 「あのオーナーの可愛いはムキムキマッチョだから、ほっとけばいっしょ。」 苦笑いを交わした時、携帯がなり、迎えを知らせた。 「お邪魔しました!」 「いーえ。あとまた誕生日連絡するなー!」 「はい!楽しみにしてます!」 壱はホテルを出て、見慣れた迎えの車に乗り込む。 運転席に座る坊主頭の強面の42歳菊池啓治が、車を発進させながら遅くなったことを謝った。 「大丈夫ー。なんかあった?」 「あぁ。そうがな、1人って聞いてたけど3人いて、ヤラれてな。」 「うっわ。そうは?」 「とりあえずケツ縫ったが本人はケロッとしてる。」 「その客は?」 「竹城とシメた。」 啓治のゴツゴツとした手に傷が見えた。 こんな大男がもう1人竹城も運転手権何かあったときのためにいる。 壱はこんな顔の怖い大男2人がきたら、大層怖かったであろうとすこし客にも同情しつつも同僚であるそうの心配をした。 「とりあえず、事務所戻るぞ。」 「あぁ。」 窓の外を見ていたらうとうとと微睡み、そのまま壱は眠りに引きずり込まれた。
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