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63.❧
" Shaved Ice Date かき氷デート "
それにしても、と、私は自分を嗤った。
亀卦川くんとの付き合い方と小野寺さんとの付き合い方の違いに。
しかし、どちらの付き合い方も同じ人間、新垣桂子という自分なのだ。
相手と状況が違うと同じ自分なのに、こうも自分の言動が
大きく違ってくるとは。
明日かき氷を食べに行くと決まり、私はなんだかウキウキする
楽しい気分になった。
まだ誰のものでもない男性とかき氷デートに行くのだ。
「Excellent! いいじゃなぁ~い」
英語なんてしやべれないくせに私は知ってる単語を小さく呟いた。
どんな装いをして行こうか。
桂子は小野寺と並んでも見劣りしないよう、目一杯お洒落を
して行くぞーと、決心したのだった。
気合をいれた装いを……と決心してすぐに頭に浮かんだのは
昨年の夏にものすごく気にいって色違いで買った2着分の生地で
ハンドメイドしたワンピースのことだった。
生地を購入したものの、仕事や何やかやで忙しく、結局、型紙おこし
から裁断、縫製に至ったのは秋になってからだった。
珍しく襟周りは、丸襟ではなく四角っぽいデザインにした。
ウエストの位置はほんの心持ち、実際のウエストより上寄りにし
スカートはフレアーにした。
そしてウエストにはベージュ系リボン紐を付けてアクセントにした。
リボン紐は後ろで蝶々結びで飾るという手もあったのだけれど、
あっさりと背中の合わせ目の部位で終わるようなデザインにした。
生地はベースの色がライトグリーンのものと、ライラックとを
2着揃えた。
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