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66.❧
" Gorgeous べっぴんさん "
翌日の遅めの朝にシャワーをし、すっきりした気分で
あっさりとしたメニューのブランチを摂った。
昼食を一緒に摂るとなると、出掛けるのが気忙しくなるので
まず、合流したらかき氷にしましょう、と提案していたのだ。
暑い季節に気忙しく汗にまみれながらのお出かけなんて
なんという苦行。
なるべくゆったりと、過ごしたいじゃないの。
それにあれよ、食後時間を置いたとしても、次が氷じゃお腹
壊しそうで嫌だ。
折角のデートが楽しめないもの。
ゆったり……ゆったり……。
なるべく自分のペースを崩したくない。
そして、今日は騙しメイクで行くのだ。
騙しメイクって私が勝手に作った造語なんだけどね。
メインで重点的にガムばるのが💋唇の形。
少し濃い目のローズピンクと淡いピンクの口紅を駆使して
彼のマリリンモンロー風な厚めの色っぽい唇に見えるようにって
時間をかけて塗るのじゃぁ~。
と気合入れ……っと。
眉もす~と綺麗に濃いめのラインを引いてブラシで整えて・・
アイラインも割と濃く目尻に向けてシャープに描く。
まつ毛もいつもの1.5倍、繊毛のたくさん入ってるヤツを使って
アイラインとの併せ技で目力が半端なく強くなるように塗った。
鏡の中の私は、普段薄化粧なだけに自分で言うのもおこがましいぐらい、
えらいべっぴんさんになっていて、笑ってしまった。
初対面がこれなら、詐欺だと言われてもしようがないと思うけど
彼はすでに私の素顔に近い顔は知っているわけだから、騙すことには
ならないよね。
一時的なものだけど、綺麗な私を堪能してもらおうと思う。
びっくりしてもらえたら、最高!
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