大人の恋心

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67.❧ " Meet Up 待ち合わせする "  私たちは各々目的地の最寄り駅の南口で待ち合わせすることに なっていて、改札口を通り抜けると、すでに先に着いていた小野寺さんが 待っていた。  改札口を抜けて最初に彼のことに気付いたのは私の方だった。  私が彼に気付いた時、彼は何やら俯いてスマホを覗き込んでいた。           ◇ ◇ ◇ ◇  一方小野寺は待つ間、今日のデートコースの手順に不備はなかったか 再確認しているところだった。  彼との距離2m...  一度何気に顔を上げ、また俯いた。  そしてすぐにまた彼は顔を上げた。  今度こそ私に気付いてくれたようだった。 「お待たせしてすみません」 「いえいえ、約束の時間に遅れてはいませんよ。  それに僕もほんの少し前に着いたところです。じゃあ行きますか。  さてとタクシー乗り場まですぐですから」 「タクシー? に乗るんですか? 」 「ええ、この暑い中、歩くにはちょっと距離があるかなぁと思うので」  私はそうなんですか、という具合に顔を少し振ることで納得した風に 相槌を打った。 「さっきは少しびっくりしました。  これまでの桂子さんと違って見えて実を言うと、ちょっと緊張してます」 「ふふっ、ですよね? って言ったら手前味噌になっちゃって痛くなりそう なので撤回。  でも本当に小野寺さんを紹介されるまで久しくこんなデートらしい デートなんてご無沙汰だったので、今日は思いっきり髪の毛の先まで 念入りにお洒落してきましたっ!」
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