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80-2.
遅くとも9時には家に居たかった私は、流石に家に9時
までに帰りたいとも言えず、電話の約束という口実で
亀卦川さんに伝えた。
駅周辺で何度か行ったことのある店に私たちは入った。
とんかつの専門店だった。
食事は大層美味しく、食事している間彼からの話は差し
さわりのない話題で終始した。
食べてる間は食事に夢中になり過ぎてしまい、終わって
から私は、今日彼は何で私を食事に誘ったのだろう? と
いう疑問に駆られた。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
「ガキさん、実はさ、俺・・離婚したんだ」
私は驚き過ぎてすぐに反応できなかった。
どうして何の関係もない私なんかに、そんな話を。
「それでさ、今日の話っていうのは・・」
いうのは?
「結婚前提に俺と付き合わない? 」
何か聞いてると、私が断らないだろう前提みたいな
聞き方をされているように聞こえた。
今までの私たちの付き合い方からすると、そうなっちゃ
うのかな?
彼が石川さんと付き合っているのを知らずにいた頃なら
ううん、付き合っていた頃でも、私の方を選んでくれてい
たら二股さえも許して、OKしていたかもしれないもんね。
だけど・・・。
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