大人の恋心

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81-2. ❧-  当分返事はもらえないものと思っていたのに翌日の昼前にガキさんから 電話があり、案の定、体良くやんわりと昨夜の交際を断られた。 「すみません。  私には勿体ない申し出で有難いと思ってます。  ただ、今……わたし」  歯切れの悪いガキさんの物言いを聞きながら、 「ただ、今……わたし」の次にどんな言葉が出てくるのかと、彼女 の言い訳を想像してみるのだが、思いつかなかった。 「交際している方がいるんです」  驚いたのなんのって。  交際?  本当だろうか?  俺からのプロポーズを上手い具合に交わす為のおためごかしだったりして。 まっ、いいさ。  交際相手がいるんじゃあ、断られる方も納得できるってことで。  ガキさんらしいなぁって思う。  彼女は気が利いてやさしい女性だからな。 「えっ?  そうなの?  知らないとはいえ、俺って間が悪いよね~。  残念~、もっと早くガキさんに告白しておくんだったよ」 「ほんとにありがとうございました」           
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