10人が本棚に入れています
本棚に追加
【エピローグ】
空には月も星もない。
雷雨で停電をした街は、街灯すら燈らない 。
ーーー真っ暗な夜だった。
「停電になるなんて…やっぱり、お天道様が怒ってる。」沙楽が小さく呟き俯いた。
「それは、果たして俺らが離れることに怒ってるのかな…それとも。」
魁人が、美しい口元を歪めながら窓の外に視線を向ける。
龍神が2人の替わりに泣いているのかもしれない。
運命は、今夜も彼らを鱗だらけの塒で絆し続けるのである。
〈了〉
最初のコメントを投稿しよう!