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第3話
そんな時だった。自分の体を見て、俺は驚いた。今まで見たことも無いものが……。
「 なんだ!!これは 」
俺の体に、何故か数字みたいなものがタトゥーの様に刻まれている。この数字みたいなものは、何なんだよ。
「 潤、これってなに!? 」
「 これは……なんだろう??はっきりとは、わからない 」
「 お前がやったんじゃないのかよ!! 」
ーーこんなのやったっけ?まぁいっか。
「 まぁいっか。じゃないだろうが!! 」
「 あ。聞こえていたんだった 」
俺たちは、こんな調子で、カタチは変わってしまったが中身は変わってないおかげで、昔みたいな会話ができている。この刻まれたタトゥーが何を意味するのかも全くわからないが。でもこれから何か起ころうとしているのか、胸騒ぎがしていた。
そんな時だった。俺の携帯に着信がきていた。
「 あ。サラさんだ 」
「 もしもし!?翔吾?ちょっと来てくれ!! 」
サラさんは、それだけを伝え、すぐに電話を切る。いつもとは違う。ものすごく急いで慌てている様な話し方だった。
「 何かあったのかな。サラさん、慌ててた 」
「 何か様子がおかしかったのか?? 」
サラさんがあんなに慌てるなんて。いつももっと冷静で淡々としているのに。普通じゃない何かが起こっている。という事なのか。
俺は慌てて用意をし、家を出ることにした。
「 もちろん、俺も連れていくよな?? 」
「 えっ…… 」
こんな緊急事態に、犬の散歩中みたいな空気感を出していいのか。俺は迷いに迷ったが、どうしても連れて行けと言われ仕方なく、連れていく事にした。先に病院の方にまわり、リードとバックを借りることにした。
「 母さん!ちょっとこれ、借りる!!」
「 その子犬、どうしたの 」
「 理由は帰ったら話すから!!いまは、何も聞かないで!!じゃ。いってきます!」
ジョンをペット用のカバンにいれ、急いでサラさんの店に向かった。何が起きているかわからないが、かなりの胸騒ぎがしていた。
何か、とてつもない事が起きている気がする。サラさんは、俺たちにとって、大事な存在だ。何かあったからって、俺に電話を掛けてくるなんてほぼほぼない。
もしサラさんにまで何かあったら。と思うと怖くてたまらなかった。
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