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第6話
空が何となく変な色をしている。空気もいつもと違う重たく冷たい。風も少し強くなってきているせいか、少し肌寒い。
「 じゃあ。とりあえず、俺たちの動物病院へどうぞ 」
その女子とさらに弟。そして犬を引き連れ、動物病院へと移動する事にした。状況を把握する為にも、少し落ち着くしかない。なんて、呑気な事を言ってていいのだろうか。
動物病院へと着いた俺たちは、みんなで椅子に座った。母さんは、歓迎したのか、珈琲とジュースを持ってテーブルの上に置いた。
「 お客さん。いっぱいね。いらっしゃい」
「 ありがとうございます 」
「 それで。話を聞かせてくれるかな??何があったか、知りたいんだ。教えてくれ 」
「 それより、先に自己紹介でしょ!!私はミツキ。弟は、アオイ。あとワンちゃんは、ルーちゃん!あなた達は?? 」
「 俺は、翔吾。こっちは、ジュ……ジョン 」
「 はい、よろしい!!今日の朝は気づかなかったんだけど、お昼くらいからかな??散歩に出かけて帰ってきたら、急にルーと話せるようになったんだよね。んで、アオイが帰ってきて、外に出ようって言われて……帰ったら家が潰れてて…… 」
「 他に、家族は、いないの?? 」
「 私たち、親戚の家にたらい回しにされてて、嫌になって家を出て、2人で暮らしてたんだ。ルーは、アオイが拾ってきちゃって。少しの間だけって思ってたんだけど、気づいたら結構経っちゃってて。でもあなた達と出会えてよかった。さ迷う所だったから 」
「 うん。俺も、今日起きたらコイツが家にいて、喋れてて……よく分からない…… 」
「 不思議な現象が起きてる事は、確かだと思う。角の所にある喫茶店が、少しドアが開いてて見てみたら、真っ暗になってて、風が吸い込まれそうな感じで吹いてたの。怖くなって、逃げちゃったけど 」
「 喫茶店かぁ。どうなってるんだろう。あとで案内してくれる? 」
「 いいけど。吸い込まれちゃうかもよ?? 」
「 それも笑顔で言うところじゃ……ないよね 」
こうやってさ迷っている人って。他にもいるのかな。世の中の人達は、この起きている不思議な現象に気づいているのか。それともこの町だけに起きている現象なのか。それもわからない。家が潰れるって、よっぽどだし。でも、他に潰れてそうな家はなかった。
この子達の言っている事、信用しまくってしまってたけど、本当に大丈夫なのだろうか。
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