十九年後

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大丈夫かな? と心配になった。こんなんでやっていけるのか、……。 松崎は、どうしても、なんとしてでも調査員になってくれと言って強く勧めた。仕事の量がどれだけあるか見せられ、やってくれないと困ると口説かれた。 松崎の必死の思いに私は負けてしまった。彼を助けてあげよう、なんて優しい気持ちも湧いて、フリーの調査員として働くことにした。 仕事は、以前からやっていたから、苦労することはなかった。働くようになって、母は安心した。彼女の心配をなくせたのは嬉しい。母も高齢だ。家に居て、買物などやってあげれば、少し親孝行になるだろう。 以前は、仕事で移動中、家に一人でいる母の身が心配になった。今は家で仕事しているから、そんな心配などせずにいられる。
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