【急募】テストから逃げる方法

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【急募】テストから逃げる方法

「そうだ、学校に爆破予告を送ろう」 「待て待て待て待て」  そうだ京都に行こう、のノリでとんでもないことを言いだした妹。姉の私は、ふらふらと私のパソコンに向かおうとする彼女の首根っこを掴んで全力で止めていた。  ちなみに妹は小学生、姉の私は中学生。  うちの妹はちょっと――というかかなり、変わっている。ていうか、頭のねじが十本くらい抜けてしまっているらしく、時々とんでもないことを言いだしたりやらかしたりする。 「え、何で姉ちゃん止めんの。予告だよ?ほんとに爆破するなんて言ってないよ?学校に今から火をつけにいこうっていう案よりよっぽどマシでしょ?」 「マシでしょ、じゃないわ。どっちにしたって駄目だわ!」  大真面目な顔でとんでもないことを言う妹に、私は思いきりシャウトした。 「大体、明日のテストが嫌だからって学校を無理やり休みにしようとすんなアホ!そもそも、試験前夜にそんな突拍子もないこと言いだしてる時点で人間として終わってると気づけ!」  そう。よりにもよって、学校を強制終了した理由がそれである。明日漢字の小テストがあって、勝てる気がしないからなんとかテストを吹っ飛ばしてしまいたい、という。いくらなんでも発想がバカすぎるしヤバすぎる。予告を送られるだけで大迷惑なんてものではない! 「だって勉強する時間なんてないじゃない、人生!」  そんな倫理観が死んでる妹は、拳を握って力説するのである。 「月曜日はナイトハーツやって、火曜日と水曜日はレナちゃんちでTRPGやって、木曜日は黒薔薇の騎士シリーズやって、金曜日はミナキンチャンネルの動画見て、土曜日と日曜日はショッピングだよ!?勉強なんかやってる時間ある?いや、ない!」 「偉そうに言うなそんなこと!」 「漢字なんか読めなくたって生きていけるよ姉ちゃん!」 「いや、他の教科はともかく漢字は読めないと結構困るからね!?」
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