出生前夜

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「るぅぅぅぅれっとチャーーーンスっ!!!」 「はぁ…?」 ーーーいったい、何がどうなっているというのか。 見渡す限り青と白しかない空間。 そして同じく青と白のしましま模様のスーツに蝶ネクタイ、ハットを被ったインチキマジシャンのような格好の男が一人。手にはマイクまで持っている。 俺はなぜこんな場所にこんな男と一緒にいるのだろう。 「さぁさぁさぁ!村本 猛雄(むらもとたけお)さん!待ってましたよぉ、選ばれし者!!」 呆然と立つ俺に、ビシィッと人差し指を向けたは尖った口元をニヤリと歪ませた。 目は細く色白で、まるでキツネのような風貌の男だ。 「なぁ、その…選ばれし者って?」
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