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「ついたぞ」
ラウが歩みを止める。
折檻部屋は、彼の自室内にあるという。
私は綱を引かれ、まずはラウの部屋へと入る。
ベッドの横にある小さな木製ドア。
ここがどうやら、その部屋らしい。
「ここからは俺が持つ。お前は下がれ」
そう言ってラウは、私の縄を兵から奪う。
「しかし、王子にもしものことがあっては」
「私の力を見くびっているのか?
こんなか細い小娘、どうとでもできる。
分かるだろ?私は一人でじっくり楽しみたいのだよ。
私を虐げてきた女が、苦痛にあえぎ、衰弱していく様を」
ニヤリと笑う彼に頭を下げ、兵は一人で出ていった。
と、同時に、折檻部屋のドアが開く。
ギイィィと響く、不気味な音。
その先に待っていたものは。
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