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しばらく地獄の時間が続いてのち、ようやくアタシは解放された。
警察にご迷惑をかけたのは生まれて初めてだし、色々問い質された…というか、怒られたというか…馬鹿にされたわけだけど。
とにかくショックやった。生きた心地もしなかった。
過去に補導歴がないかどうかということまで調べられたし。
電車に乗ってバスに30分乗って、更にテクテク歩いてアタシら姉妹はアパートに帰ってきた。
その間、首筋に洗濯ばさみ挟んだまま。
お姉のにこやかな笑顔と冷たい視線にさらされて、アタシは生きた心地がしなかった。
どうでもいいけどこの人、まだ1回も妹に向かって話しかけてへんで。
オールド・ストーリーJ館(AからI館までは聞いたことがない)。
大層な名前だけど、それは東京とは思えない荒地の真ん中にポツンと建つ木造2階建てのボロアパートだ。
ここの2階の1室がアタシの新居。
姉は大家なのだ。
「せ、洗濯ばさみ、そろそろ外してもいいですかね?」
すごい下手に出て聞いたのに、あえなく無視された。
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