19人が本棚に入れています
本棚に追加
やんわりと彼女を守り、スマートな対応に見せかけながら実際は弱気なメールを打っていた。
『昨日はごめん。俺が悪かった。週末、マチが観たがってた映画を観にいこう。駅で待ってる』
このところ喧嘩が絶えないのはお互い大学と美容専門学校という新しい生活に順応できずに戸惑っているからかもしれない。
とはいえ、いつもならマチが折れてくるまで放っておく程度のくだらない喧嘩だったが、今胸の深いところで沸いている得体の知れないモヤモヤを払拭するように、秀人は絶賛倦怠期こじらせ中の彼女をデートに誘った。
最初のコメントを投稿しよう!