Interest and melancholy

2/6
前へ
/96ページ
次へ
   「はい、じゃあ早速巻いていきますよ!国家試験まで2年もあると思ったら大間違いだからね。3つの実技課題と7科目の学科、全部完璧にしておかないと試験には合格できません。心して取りかかるように」  実技課題とは、パーマ技術のワインディング、ピンカールとウェーブ技術のオールウェーブ、そして美容師に最も重要なカットだ。カットを第1課題とし、ワインディングかオールウェーブの何れかが第2課題として出題される。学科に関しては、美容師法、化学物理、衛生学、、、法律から皮膚や筋肉、関節に至るまで広範囲に出題される。終いに自分は何を目指しているのだっけ?となってしまう程だとかつて美容学校に通っていた兄の言葉を思い出す。    技術を担当するのはのんびりとした女性担任とは真逆の、ストイックな感じの女性講師が2人。  1人は40代後半くらいの細身の高身長で、もう1人は50代後半くらいの小柄な講師だった。  どちらも言葉尻は厳しいが、その中に寛容さを感じられる。  さすが、これまで何百人、何千人と合格者を輩出してきただけある。初対面にしてそう思わせる誠実さがあった。  
/96ページ

最初のコメントを投稿しよう!

19人が本棚に入れています
本棚に追加