ウソつき

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   ある日医師から、提案を受けた。  「新しいお薬を処方したい」  とのことだった。  娘が助かるのなら是非、と言った私だったけれど、  彼女は頑として首を立てに振らなかった。    「新しいお薬をお医者さんがくれるんだって。飲める?」  まずそう問ってみたけれど、首を横に振る。  「果物味のお薬だって。頑張ったら大丈夫だよ」  やっぱり、ダメだった。    諦めかけたけれど、この薬を飲ませることでしか、  娘を救えないのであれば……  そう思うと、後に引けなかった。    「このお薬を飲んだら、絶対に病気を治せるから」  何としてでも彼女に生きてほしくて、  そう訴えかけた。  
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