0.たとえば、こんな告白

1/1
前へ
/43ページ
次へ

0.たとえば、こんな告白

 俺の目の前には身を縮こまらせた美少女がいる。  亜麻色の髪をツインテールにしており、年齢よりもちょっとだけ幼さを感じさせる。  だが薄く色づいている唇からは、ちょっとだけ色気を感じてもいる。  子供っぽくあるが、大人っぽくもある危ういお年頃。見覚えのある端正な顔はこっちを恐々とうかがっている。 「今の状況、自分がどんな立場にいるのかわかってるな?」 「……はい」  高圧的な言葉をかければ、彼女はさらに身を小さくした。  口元が緩まずにはいられない。顔面に力を入れて笑ってしまいたい衝動を抑えた。  真面目ぶった顔を作ったからって、次の言葉が変わることはないのだが。 「なんでもするって、言ったよな?」 「い、言いましたけど……」 「けど?」 「……いえ、なんでもないです」  どうやら抵抗はないようだ。  俺に抵抗できない美少女。そんな状況になったとしたら? そりゃあやることは決まっている。  服越しでもわかる均整の取れたスレンダーな体。露わになっている脚は美しい。  彼女はメイド服を着ていた。清楚で可愛らしく、とても似合っている。  俺は怪しい笑いを零し、勢いよく頭を下げた。 「俺の彼女になってください!」
/43ページ

最初のコメントを投稿しよう!

32人が本棚に入れています
本棚に追加