結婚まで992日 #堂道と羽切嫁

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 はふはふ言いながら、肉を口に入れようとして、ふと思い出した。 「つーか、お前、……たま、たまゆらサンにかわいそうなこと言いつけんなよ」 「え? ああ、今日? 資料室、楽しかったか~? でも、あそこカメラあるからなぁ」 「ナニナニ、資料室って」  嫁、興味深々。  悪いが面白がられるようなことは何もない。 「佐代田さんは笑顔でサラっとかわすから、頼みにくいことはついつい玉響さんに頼っちゃうんだよなぁ、反省」 「エレベーターで、人食い鬼の檻ん中に放り込まれた生贄みたいな顔してたわ」 「堂道君……、お願いだから結婚以下略」 「そういえば、あの子、男いるぞ」 「え!? 玉響さんとそんな話したのか!?」 「まさか。前に、二人でいるとこ見た。ああ、お前も一緒に飲んでた時だけど、そん時、お前便所行ってた」 「そういう話題って今は気軽に触れられないからな。玉響さんもそろそろ結婚考える年齢かぁ。でも今の子って結婚では仕事辞めないしな。体制的にいますぐどうこうなるってことはないだろうけど。一応頭には入れとくわ」 「ま、早くて二、三年後じゃね? 産休育休」 「女だって別に休みたくて休むんじゃないんだからね!」 「別にダメだって言ってるわけじゃないじゃん」 『たまゆらサン』の育休産休が三年後だということを、俺も羽切もこの時知る由もなく。今季最後の鍋は煮詰まっていく。 #結婚まであと992日
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