結婚まで988日 #堂道と課長ズ

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 茂武田。  それなりにかわいいところもあったんだけど。  減給より、部下が去っていたことの方がちょっとヘコむな。  情けねえから言わねえけど。 「ま、ま、飲め飲め。降格、異動じゃなくてよかったよ」 「飛ばされたら行ってやるよ。地方はどこも人間優しいし」 「お前、もっと本社に執着しろよ! かわいくないよ!?」  しょっぱいビールを飲んでいると、「おつかれー」と羽切が挨拶の手を挙げた。  見ると向こうで、たまゆらサンが「お先です」と頭を下げている。 「あらら、玉響さん帰っちゃうのー?」 「みたいだね」 「玉響さんだけ先に? オイオイ、もしかして~?」 「……なんだよ」  室が意味深に体を寄せてくる。 「オマエが来たからじゃないのー? 玉響さんにどんだけ嫌われてんのー? 顔も見たくない! 同じ空気吸うのも無理! 的な?」  マジ、イヤな性格してやがんな、こいつ……。 「かもねぇ。トラウマになったんじゃない? 堂道」  お前まで! 誰のせいだよ! 「なにしたんだよー!?」 「なんもしてねえよ!」  俺のせい!? え、そうなのか。いや、違うだろ。さすがに。 「家遠いんじゃねえの?」「近いはず」「門限とか?」「独り暮らし」 「えー? あー、ホラ! あれだ、デートだろ」 「彼氏!? イイヨネ、若いって!」 「そうそう、今から男とイチャイチャすんだよ、あの女は」と俺。 「イチャイチャ、うらやまスィー」切なげに室。 「イチャイチャって……きょうび言わないよ」羽切苦笑。 『きょうび』こそ、言わねえよ! 結婚まで988日
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