結婚まで944日 #堂道と待ち伏せ

1/1
前へ
/103ページ
次へ

結婚まで944日 #堂道と待ち伏せ

「な、なんなんだよ! なんでだよ!」 「だから! お礼です!」 ――たまゆらサン。隣の課の女子。俺たちの関係性、無関係。 「ちょちょちょ、引っ張んな! 触んな! 礼ってなんのだよ!」 「電話です」 「んなつもりで電話に代わって出たわけじゃねーし! 別に普通だし。あんだけしつこく粘られてたら、相手が誰だって俺出て行かなきゃしょうがねえだろ! ちょ、どこ行くんだよ!」 「どっか、そのへんのお店でいいですか」 「よくねえよ!」 ――いやいや、なんかおかしくない!? どこでどうなった!? 「俺ァ、早く帰りたいんだよ! 俺、家遠いんだよ!」 「大丈夫です! 一杯しかおごりませんから!」 「俺のこと、怖くねえの!?」 ――考えるような間。 「……そうですね。なぜか、全然怖くないです。アドレナリン出てるのかな」 「アドレナリンってな! 恐怖や不安を感じると出るんだよ!」 ――――――なんなの、このタフさ。 「待てって! 会社のやつに見られたらどうすんだよ!」 「嫌なら、もっと離れたお店にしましょうか?」 「ヤだよ! 近くでいいよ……つか、行かなかったらイイ話じゃねえか!」  つか、なんで腕掴んでんだよ!  てゆーか、おかしい! 二人で飲みとか、おかしいから! まじで!  ハァァァ!? なんなんだ、この子! 
/103ページ

最初のコメントを投稿しよう!

4378人が本棚に入れています
本棚に追加