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「結果、堂道君が選んだのはホテルでしたが。せめてホテルのバーで口説くワンクッションを置く手もあったかと思います」
「……あの夜の俺、余裕なさすぎだな……かっこワル。まあ、ずっと感情を押し殺してたその反動はあったかも」
「いつから押し殺して、たん……んん。……次長、お酒くさーい」
「さて、いつからでしょうねェ。タクシーの中のたまゆらサンはかわいかったナァ。きゅっと口結んで、固い顔して、緊張してんの丸わかり」
「当たり前ですよ。いきなりの急展開に。どこへ行くのか、どんな状況かもわからないで。エレベーターの中でキスされるまで、本気で普通に宿泊付きの出張の可能性も残してました」
「あれはなあ、フライングだよなぁ、反省。あとちょっと部屋まで我慢しろってんだよな」
「私はフライング万歳でしたけど?」
「気づいたらキスしてた」
「このひとは、全く堪え性のない」
「……衝動だな。理性がすべてを凌駕した」
「リョウガ。ふふ」
「かわいすぎた、糸チャンが」
「えー! 過去形ですかぁ? きゃ! じ、ちょ、んんー……」
#186日後に結婚が決まっている二人
#糸に飲まされた
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