結婚まで892日 #堂道と恋バナ

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結婚まで892日 #堂道と恋バナ

「もー、なんで今朝言ってくれないんだよ」 「余韻に浸ってたもんで」 「朝帰りか」 「ご想像にお任せシマス。……おい、下世話な質問には答えねえぞ」 「そんなヤボなことしないって。室じゃないんだから。しかし、君たち偉いね、遅刻も欠勤もしないなんて」 「ンなことできるか、恥だろ。いくつだよ」 「うんうん、青春だな。俺、スピーチするからな」 「は? 結婚なんかしねえよ」 「……そうなの? 玉響さんお年頃だぞ?」 「わかってる。キリいいとこで切り上げる」 「切り上げるって残業じゃないんだから」 「ホント、やっちまったわ」 「なにそれ。イキオイだったのか?」 「そうではないけど」 「ま、アレはなぁ……。俺らのトシで、おまけにお前独り身で。あんなのにガンガン来られたら大概の男は堕ちるわなぁ。正直、設定ウラヤマシイぞ」 「先のこと考えたら、手を出すべきじゃなかったなって」 「くれぐれも玉響さんを本気にさせないように。ドロドロの刃傷沙汰だけは勘弁。ま、不倫じゃないからまだマシか」 「どうせ若いヤツの気まぐれな好奇心だろ」 「せっかくなんだから割り切って今を楽しめ! 永久凍土に来た奇跡の春だぞ。ほのぼのと幸せな恋愛しろ」 「シニア恋愛につき合わせんの申し訳ねえわ」 「幸せな思い出たくさん作れ! まあ、思い出なんてあったらあったで辛いけど。お前、別れた時絶対寂しいぞー」 「……そん時は転勤願、出す。……そんで、犬飼う」 「……恋する夏至チャン、かわいすぎてウケる」
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