4376人が本棚に入れています
本棚に追加
/103ページ
結婚まで270日 #朝からすみませんR
「あっ、あっ、あっ」
おいおい、糸チャン。
いつになく声出てんな。
まぁ、確かにいつもよりも乱暴にしてるよな。自覚あります。
そりゃさ、数年ぶりですよ。
罪悪感も背徳感もないセックス。
糸を誘って拒否られることはほぼねえし、嫌がりもしない。いつも従順に応えてくれるから、今夜も勢いに任せて、例えば今もバックで思いきり打ち付けてるけど、これ多分相当衝撃あるんじゃねえかな。
腕掴んでなかったら、字のごとく突き飛ばされているかもしれない。
「あん、か、ちょ……もうっ」
「いいからイケよ」
「あっ、あっ……ん……!」
俺は基本ノーマルなことしかしねえ派なんで、糸がどう思ってんのか知らんねぇけど、淡泊だとは感じているかもしれない。
ただ頻度はわりと求める方だと思う。
「お前濡れすぎ」
「だって、だって……」
「シーツ、びしゃびしゃだぞ」
糸は、小さな声ですみませんと言う。おい、いつもの威勢のよさはどうした。
うつぶせの状態で、あられもなくケツ突き出したままくずれている。
征服欲的なものがないとはいえない。
積極的なのは大歓迎だけど、ちょっと焦るし、ちょっと妬ける。
これまでの奴にもお前はそんなに激しく求めていたのかとちょっと思う。
このトシになると性欲の発散というよりは大事な女を愛しくて抱く意味合いの方が強くて、生ぬるい内容になっちまってるからな。
「おいおい、無理すんな」
軟体動物みたいになってた糸がむくりと起き上がって、
「課長が……まだ……」
「いやいや、ちょっと俺も休憩」
「こんな途中で休憩とか……ありえないでしょ」
そう言って緩慢な動きで俺の上に乗っかって来た。
糸が上になるのは、正直なところ抵抗がある。
大切にというより、動物的な衝動に駆られてしまう。
糸がヌルっと、ズブッと、俺に沈んできた。
「はぁ……ん。あ、ちょっと大きくなった」
「ウッセ」
騎乗位は、なまじ胸がデカいから、すげえイケないことしてる感が出ちまうんだよな。
AVかって思いながら突く。って、俺いくつだよ。
ああ、俺だってこんなトシでこんな抱き方、大人気ねえなって思うけど突く。
突き上げる。
突き上げて、やっぱり糸が飛んでいかないように、俺は糸の両手をしっかりとらえて突いた。
最初のコメントを投稿しよう!