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エピローグ #堂道のバージンロード
池手内の乱を経て、俺はついに糸と結婚することになった。
池手内の一件でわかったことは、糸は正義と勇気のためには無茶な行動に走ると言う事。
俺の幸せのために俺の幸せを無視するという思考は理解できないし、アホかとイライラするが、糸なりに俺のためを思ってくれているのだ。
方法やその方向性の間違いは、これからは俺が注意して正してやればいい。
知識も経験も良識も判断力もある大人の男なのだから。
例えば、結婚式一つでも意見の相違というかいちいち揉めた。
は? 年若い新妻の希望を全部叶えるのこそが大人の男だって?
無理、無理、無理!
糸の言うとおりにしてたら、ミッキーさんとフラッシュモブ(雇われ)に囲まれて某有名ランドで結婚式する羽目になっていた。
糸の事は好きだし、大事だし、そりゃ望みはできるだけ叶えてやりたいとは思うけれど、読者の皆さん? 俺ですよ!? ヒールですよ?
夢物語のお姫様は悪役とは結婚しねーよ。
しかし、この俺がなんだかんだで結婚する。
この年でこんな俺が結婚することで、正義は勝つとか、信じる者は救われるとか、そういう公正世界仮説で片づける気はない。そもそも俺は正義でもないし、真面目に、正々堂々、真っ当に生きてきたわけでもない。人生なんて理不尽で不平等だ。
ただ、人生にはいつ何が起こるわからない。
それは言える。
昨日の部下は、未来の嫁。
そんなことが現実に起こるんだもんな。
堂道夏至、43歳で再婚します。
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