エピソード参

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「…おに…ちゃ…ん」 貴「うわっ!」 ガバッと起き上がると 白いベッドにいた。 なんで病院に? 「貴也くん。」 貴「…お姉さん。」 「目が覚めたのね…良かった。」 貴「……。」 「貴也くん、ずっと意識不明の重体だったのよ。」 貴「……俺なんで病院に?」 「覚えてないの?」 貴「え。」 「………。」 (火事のこと覚えてないみたい…。お母さんやお腹にいた赤ちゃんの事話すべきなのかな…) 貴「お姉さん。」 「ん?なあに?」 貴「お母さんはどこ?」 「……。」 貴「お腹にいた赤ちゃんは?」 「…それは。」 ガラガラ 誰かが入ってきた。 貴「……お父さん?」 「貴也…。」 涙を流しながら僕に抱きついた。 貴「どうしたの?」 「ごめんな…貴也…ママはもう居ないんだ」 貴「え?」 「お腹の赤ちゃんを出産して亡くなった。」 貴「ウソだ!」 「ママは身体が弱くて命懸けで産んだんだ。」 貴「…じゃあ赤ちゃんは?僕の弟は?」 「今はもう…高校生だ。」 貴「……高校生?」 「お前は11年間眠ってたんだ、だからお前も今は高校生だ。」 貴「…え…眠ってた?ずっと?」 「突然でびっくりだよな…今から話すことはお前が11年間眠ってた間の話だ。」
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