11人が本棚に入れています
本棚に追加
■■■■■■■■■■■■ ■■■■■■
■■ ■■■■ ■■■■■■■■■■■
■■■■ ■■■■■■■■■■ ■■■
―……と……いと…
どこか遠くで声がする。
ぎちぎちと目蓋――カメラの保護シールドを無理やりこじ開ける。
「大丈夫、エイト?」
カメラがピントを絞る。視界いっぱいにサナの心配げな顔がこちらを覗き込んでいた。
「サ、ナ……?」
「よかったぁ……」
「僕はどうし、たんだ?」
その寝起きのような覇気のない言葉に、彼女はぷくりと頬をふくらませる。
「いきなりエイトが倒れたから、ほんっとに心配したのよ」
〘■■■■■■■ ■■■■■■■■■〙
僕は、彼女に言わなければならない。
「君は……外の世界を見てみたい?」
「いきなりどうしたの?」
「いいから答えて」
やんわりと彼女の答えをうながす。今ここで訊かなければ。
「………外には、何があるの?」
透き通った瞳が問い返す。
しかし僕は口をつぐんでしまう。やはりこれは……。
彼女は目を伏せて、精一杯の言葉を絞り出す。
「きっと、外にはたくさん人がいるんでしょう? そのなかの誰かが本当のママとパパなら、私は………私のママとパパに会ってみたい」
「…………」
「わたしは、外の世界を見てみたい」
無言の僕に、それでも彼女はきっぱりと告げた。それは彼女の"夢"だった。
例えそれが、彼女を不幸にする夢だったとしても―――■■ ■
〘■■■■■■■■■■■■■〙
僕はゆっくりと彼女の前にひざまづく。
「……じゃあ、目を閉じて」
おもむろに彼女の額に手を当てる。
―――メラトニンの分泌を停止
世界を包む闇が揺らぎ、ゆっくりと人間に計算し尽くされた夢がほどけていく。
これですべてが終わる。もうこれで迷わな■。
「エイト……?」
彼女の不安げな声が歪んだ世界でこだまする。
「大丈夫」
僕は、震える小さな体を抱え込んだ。
「もう夢は見なくていい」
君には夢があるのだから。
君は■■■■■■■
僕は彼女の瞼をそっと閉じ、自身の電源を落とした。
最初のコメントを投稿しよう!