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いやしかし、そんな感情が沸いてくるのは彼のモノだけで、その時点に気づきそうなものだが、俺には最初、自分がどうしたいのかもよくわかっていなかった。
やがて俺の興味の対象は彼のすべてになり、かび臭い美術室の片隅で、彼が射精したのを見た時には、同じくらいの恍惚を感じたと思った。
確かに違う人間のはずなのに、何か見えないものを通じてひとつになったかのような神秘的な体験。それが忘れられない。
もしかしたらそう感じたのは、その形だけではなく、彼の心にまで同化したいと願ったからじゃないかと、今になって思う。
濃い優斗の匂いが俺をつつみ、先端の湿った感触が頬を濡らす。
震える手に頭を抑えられるが、やんわりとその手をのけ、そのまま舌を這わせた。
「んく、んく、ん……」
鼻を鳴らして快感に耐える優斗が愛おしい。
もっと乱れさせたくて全体を口に含んだ。
「あっ……」
反射的に優斗は腰を突き上げ、気持ちいいと伝えてくる。
唾液がこぼれるのもかまわず頭を上下させれば、じゅぶじゅぶと下品な音がして、淫靡な空気がもっと濃くなっていく。
優斗の内腿が震えイきそうになったのを察して、俺は口淫をやめた。
そのまま下まで垂れた体液を指に纏いつかせ、入口を優しく掻き、つぶりと指を入れてしまう。前をいじってやったせいか、以前に触れた時よりもほどけたそこに、俺を受け入れてくれている気がして嬉しくなった。
指を増やし、腹側を押し上げ震わせてやると、優斗の体がのぼりつめたようにぴんと硬直する。そのままくちゅくちゅとこねる様に出し入れすれば、もどかしい刺激に、彼はついに卑猥に腰をくねらせ始めた。
俺は素早くズボンを脱ぎ去り、ぎちぎちに張ったそこを軽くしごく。ぽとりぽとりと先走りがよだれのように落ちた。
こんなに飢えを感じたのは久しぶりだ。俺こそ、入れたらすぐにイってしまうかもしれないな。
気配を察し、恐々と肘をついて上半身を捻りおこした優斗は、膨張しきった俺のそれから目がそらせなくなっている。そんな彼に、にこりと笑いかけて、俺は真っ赤になった入口に先を押し当てた。
ぐっと力をかけると、優斗の指が、腰を持つ俺の手を握りつぶさんばかりに強く握ってくる。
「いっ!……はっ……」
「……っく……」
まるでミチミチと音がしそうにキツイそこを、ゆっくり掻き分けて進んでいく。
優斗も頭をのけぞらせ、白い喉に筋を立てて堪えているようだ。よほど苦痛なのか、彼のものはすっかり萎れてしまっている。
全部おさめる頃には、優斗の額には玉の汗が浮かび、俺も汗だくになっていた。
自分の荒い息が、うるさいほどに耳の中を木霊している。
そのまましばらくじっとしていると、熱い筒の中と俺の体温がなじみ、混ざり合っていく。
優斗の中はぴったり俺を包み、鼓動に合わせるように、ひくりひくりと小さく脈動していた。
「あぁ……」
思わず快感がうめきになって出てしまう。
一瞬、美術部の物置の、忘れられない匂いが鼻をかすめた気がした。
――やっと一つになれた。
早くこうしていれば良かった。
何をためらっていたのだろう?
こんなに、こんなにも素晴らしく、何物にも代え難く、言葉を失うほどの……。
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