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「読み書きができるというすごい武器を持った君たち。文字が読めると何ができる?」
君、と指された児童が答える。
「本が読めます」
「本が読めるとどうなるかな」
「知らなかったことが知れたり、ファンタジーの世界に引き込まれたり」
素敵な表現の仕方だね、とエレン先生は微笑んだ。
「文字が書けると何ができる?」
君、と指された児童が答える。
「お手紙が書ける」
「どうしてお手紙を書くの?」
「言葉じゃ言いにくい気持ちを伝えたり、遠くに住んでるおじいちゃんに私は元気だよって報告できるから」
僕もそんな孫が欲しいと言ったエレン先生には、上級生からハニーへのプロポーズが先だよーとツッコミが入った。
エレン先生ははにかんでから、真面目な顔で言う。
「読む、書く。この武器は生涯ふんだんに使ってほしい」
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