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ぬるりと湿ったもの――舌が口の中に入ってきて、思わずびくっと身体が震えた。大和の舌が口の中を這うように動く。
「っ……ふ……」
上顎の裏を舐められると首の後ろがぞわぞわとする感覚がした。舌を絡めとられると、息もろくにできなくなって、堪らず大和のニットの服を掴んだ。まるで溺れているようだった。
唇が離れると、僕は酸素不足になったのかぼうっとしながら、荒い呼吸を繰り返し、大和を見上げた。
「シャワーあとでいっか。さすがにもう止まんないし」
その言葉の意味を理解する前に、僕は大和に誘導されるままにベッドに横たわっていた。それも天蓋が見えていることでようやく頭で理解できたくらいだった。
足元を見ると大和が上半身を露わにしていて、思わず吐息を零す。妄想の中の彼よりもずっと魅力的な、脂肪が適度に削ぎ落され引き締まった身体をしていた。
「服脱がねえの? それともほんとにマグロでいくんだ?」
パンツを脱ぎ捨て、下着姿になった大和が僕の上に覆い被さる。
「いいよ、それでも。俺主導権握りたい派だし」
大和の手が、僕のシャツのボタンを上から一つずつ丁寧に外していく。それを僕は期待と恐怖の狭間を右往左往しながら、見詰めていた。
シャツの前が開かれ、大和の手が僕の脇腹から上にゆっくりと撫でていく。触れられただけで、その皮膚の下を流れる血が沸騰するかのようで、身体が熱くなった。
「んっ……」
指先が乳首に当たって甘い刺激が走り、思わず声が出る。
「気持ちいい?」
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