エピソード2 甘酸っぱいアイス

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 なんだかんだ言ってる間にアイス屋さんに到着。暑いからか沢山の人で賑わっていた。 「どれにしよう……穂乃は決まった?」  華と一緒にメニュー表の前でにらめっこする。 「んー、華は何と何で迷ってるの?」 「このチョコのとイチゴの!」 「じゃあチョコの頼むから半分こしよ!」 「穂乃ありがとう!」  よほど嬉しいのか華は私に抱きついてくる。これがいつもの私たち。 「じゃあレジ並ぼうか」  優くんが私たちを微笑みながら見ながら言う。  暑い日のアイス屋さんはというと、先頭が見えないくらい凄く長い列を作っていた。待っている間に私たちが溶けてしまいそう……。そう思っていると、急に日陰ができた。 「俺の日陰でよかったら入って」  優くんが、太陽に背を向けて立ってくれていた。 「ありがとう。でもそれじゃ優くんが暑くない?」 「いや、俺はどこにいても日が当たるし大丈夫」  確かにどこにいてもすぐ分かるくらい背が高い。 「優、今身長何センチ?」  華が優くんの頭の方に手を伸ばしながら聞いた。 「191かな、多分だけど」 「じゃあ37センチ差だ……」  少し凹んでる華は、どうせちっちゃいですよ〜と不貞腐れていた。 「女の子はちっちゃい方が可愛いでしょ」  優くんの言葉に華は満面の笑みを浮かべた。私は2人とも仲良いなぁと思いながらボーッとする。 「……穂乃ちゃん?」 「は、はい!」  私は優くんの声にハッとする。 「暑い? 大丈夫?」 「うん、大丈夫だよ」 「あまりの暑さに具合悪くなったかと思ったから、大丈夫ならよかった!」  優くんは本当に優しいな……。その優しさが私の心にそっと触れた。太陽みたいな彼の言動に嬉しくなって、でも2人を見ていると優くんは華と話すのが楽しそうで……私はこの時この暑さのせいなのか、感情に左右されているからなのか、酷く喉が渇いていた。
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