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なんだかんだ言ってる間にアイス屋さんに到着。暑いからか沢山の人で賑わっていた。
「どれにしよう……穂乃は決まった?」
華と一緒にメニュー表の前でにらめっこする。
「んー、華は何と何で迷ってるの?」
「このチョコのとイチゴの!」
「じゃあチョコの頼むから半分こしよ!」
「穂乃ありがとう!」
よほど嬉しいのか華は私に抱きついてくる。これがいつもの私たち。
「じゃあレジ並ぼうか」
優くんが私たちを微笑みながら見ながら言う。
暑い日のアイス屋さんはというと、先頭が見えないくらい凄く長い列を作っていた。待っている間に私たちが溶けてしまいそう……。そう思っていると、急に日陰ができた。
「俺の日陰でよかったら入って」
優くんが、太陽に背を向けて立ってくれていた。
「ありがとう。でもそれじゃ優くんが暑くない?」
「いや、俺はどこにいても日が当たるし大丈夫」
確かにどこにいてもすぐ分かるくらい背が高い。
「優、今身長何センチ?」
華が優くんの頭の方に手を伸ばしながら聞いた。
「191かな、多分だけど」
「じゃあ37センチ差だ……」
少し凹んでる華は、どうせちっちゃいですよ〜と不貞腐れていた。
「女の子はちっちゃい方が可愛いでしょ」
優くんの言葉に華は満面の笑みを浮かべた。私は2人とも仲良いなぁと思いながらボーッとする。
「……穂乃ちゃん?」
「は、はい!」
私は優くんの声にハッとする。
「暑い? 大丈夫?」
「うん、大丈夫だよ」
「あまりの暑さに具合悪くなったかと思ったから、大丈夫ならよかった!」
優くんは本当に優しいな……。その優しさが私の心にそっと触れた。太陽みたいな彼の言動に嬉しくなって、でも2人を見ていると優くんは華と話すのが楽しそうで……私はこの時この暑さのせいなのか、感情に左右されているからなのか、酷く喉が渇いていた。
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