騎士志望の少年はいとこの少女を幸せにしたい

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騎士志望の少年はいとこの少女を幸せにしたい

「シャーロット!!!」  アレックス・グレイは庭の隅にぽつんと立つ大樹に駆け寄ると、大きく手を振った。  見上げた先には、立派な枝に腰掛けるシャーロット・グレイがいる。彼女はひらひらと手を振り返すと、軽やかな身のこなしで幹を伝って芝生に降り立ち、ふわりと愛らしい笑顔を見せた。 「久しぶりね」 「うん、元気そうでよかった」 「しばらくこっちにいるの?」 「二週間くらいかな」  アレックスはエヘヘと笑い、半年ぶりの再会となった彼女にあらためて目を向ける。以前に会ったときはすこし見上げるような感じだったのに、いつのまにか同じくらいの高さになっていた。
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