騎士志望の少年はいとこの少女を幸せにしたい

1/8
74人が本棚に入れています
本棚に追加
/60ページ

騎士志望の少年はいとこの少女を幸せにしたい

「シャーロット!!!」  アレックス・グレイは庭の隅にぽつんと立つ大樹に駆け寄ると、大きく手を振った。  見上げた先には、立派な枝に腰掛けるシャーロット・グレイがいる。彼女はひらひらと手を振り返すと、軽やかな身のこなしで幹を伝って芝生に降り立ち、ふわりと愛らしい笑顔を見せた。 「久しぶりね」 「うん、元気そうでよかった」 「しばらくこっちにいるの?」 「二週間くらいかな」  アレックスはエヘヘと笑い、半年ぶりの再会となった彼女にあらためて目を向ける。以前に会ったときはすこし見上げるような感じだったのに、いつのまにか同じくらいの高さになっていた。
/60ページ

最初のコメントを投稿しよう!