1、双極の戯言

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1、双極の戯言

時は大正、とある商人が築きあげた商いが大成功を期し、国中を牛耳る程の財力を得ました。 容姿端麗、頭脳明晰、あらゆる才と才を掛け合わせ代々受け継がれていった遺伝子。 その末端に産まれたのが、男児の一卵性双生児でありました。 榑林(くればやし)家。それは見目麗しくも財力を成す一族だ。 時は現代。成人の儀を迎え立派に育った双子の兄弟は、一族繁栄の為に政略的婚姻を迫られる時期。 兄【蒼真(そうま)】と、弟【天真(てんま)】は、憂鬱な日常を繰り返しておりました。 一族繁栄にと、紹介される姫君は家柄は十分、容姿も問題は無い。 ただ一つ....問題があるとすれば、 兄弟を見分けられないと言う欠点を持っていた。
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