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「これ、お揃いのペンダント。 十年後、この木の下で、お揃いのペンダントをもって、絶対また会おうね!」
「うん。必ず……」
私と幼馴染で交わした固い約束。
まるでドラマのようなワンシーンだった。
遠い町へ引っ越す幼馴染に、再会の約束とペンダントを押し付けた。
私は、この約束を胸に抱えて、ずっとずっと生きてきた。
もっと頭がよくなりたい。
もっと可愛くなりたい。
もっと家事がうまくなりたい。
すべては、再会した幼馴染に、「すごく可愛くなったね」って言ってもらうために。
私の初恋を叶えるためも。
その甲斐あって、私は完全無欠超絶美少女になった。
高校ではモテモテだった。
自慢じゃないが、高校で一番モテた。。
何度も告白された。
そして全部断った。
私の相手は、幼馴染以外に考えられないのだから。
きっと、幼馴染も同じ気持ちだと信じている。
『ついに一週間後だね。君に会えるの、今から楽しみだよ』
『私も』
幼馴染とも、そんなメッセージのやり取りをしたばかり。
運命の日は、丁度一週間後だ。
私の心臓は、激しく動悸していた。
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