1.3 植木鉢

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 当直で宿舎に居た雨島は、同じく宿舎に居た四光(しこう)と呼ばれる女に起こされ、 言われるがままに地下へと連れて行かれた。 寝間着姿の上に羽織っただけの雨島に対して、 四光はあの黒い外套に身を包んで、同時に厳格さを纏っていた。 夜ふかしが癖になってしまっている雨島は、 この静まり返った夜に最後まで目覚めているのは自分であるという自負があったのだが、それもどうやら違うらしい。 あるいは、ここの隊員の一部にその徴候が見られるように、 彼女もまた恐ろしく切り替えの早い人間だということか。 つまり、人の生死も含めて、常に己を殺し物事を行える人間ということだ。 雨島はそのような人間をすでに一人知っていた。 それは、全くもって訓練の賜物ではなく、おそらくは生来のもの。 性とも言える冷酷さを滲ませる花憑き(ニンゲン)。 目の前の彼女がそうではないことを願う。
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