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Prologe : My playmate... *
それは……、明るい部屋の中……、
馬具のモチーフが複雑にあしらわれたスカーフで目隠しをされ、ベッドに横たわる艶めかしい肢体はこれから行われるだろう儀式に緊張を隠せずに震えていた。
身体を覆うはずのオレンジ色のシフォンシャツは役目を果たさず、ただ情欲をそそらせるためのオブジェとなっている。
透ける袖の中の白く長い腕は細い革ひものベルトで、頭上のヘッドボードに一纏めに固定されている。
投げ出された両足は未だ自由ではあったが、そのそれぞれの足首に巻かれた黒革の首輪だけを身に付けており、それらにはその後の拘束を思わせるリードがついていた。
むき出しとなっている胸は無遠慮に眺める視線に怯えるように上下している。
形の良いだろう口には大きなビスのついた武骨なチョーカーが緩く嵌められ、その唇を歪ませ口を閉じれなくさせていた。
支配者はベッドに腰掛け、満足げに口角を上げ、その姿を眺めている。しかし、その反面、その瞳は鋭く、眉間に皺を刻んでいた。
彼は左手を伸ばし、ベッドサイドテーブルに置かれているボトルを手に取った。そして、わざとパチンっと音をたてそのフタを開けた。
ゆっくりと高いところから美しい胸の頂に狙いをつけ、その粘りけのある液体を落とす。
冷たい未知なる刺激に肢体を震えさせ、少しばかり開いていた脚が閉じられようとしたが、そこへフタが開いたままのボトルを捩じ込まれ、更に肢体は緊張を余儀なくされた。
支配者は右手のひらを使い、ローションを身体の上で延ばしたかと思うと、主張する頂に爪を立てカリカリと撫で引っ掻いた。
まるで神饌のような美しき肢体はまさに熟餞されようとしているかのようだった。
艶美な下隷はそれから逃げるように身体を捻らせると、支配者は全てを征服せんと荒々しくその突起をきゅっと摘まみ軽く捩じり引っ張った。
それと同時に僕の耳に熱い舌を捩じ込み、ペチャペチャと舐めしゃぶり、熱い息を吹き込み、そして吸い、急激な温度差という刺激を与える。
”あっ、ん、んんん…”
”…ー…いま…だけ、…罪も…罰もない、……本能に従え、…そしてエクスタシー…追うんだ…”
そう言いながら、支配者はワインクーラーで冷やした左手の人差し指を
秘められた奥へ続く隘路にプツリと侵入させ、
思うままに震える眷属の反応を楽しみながら、
善いところを探すようにゆっくりと動かし始めた。
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