高校2年へ

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息子が全国枠のテレビでそんなことを言ったものだから爺やを見ようと各地から千葉の執事カフェに来ているようだ。 「まったく。よく宣伝したものだ。これで売り上げも爆上がりじゃ。これからも宣伝頑張るのじゃ。しばらくは店舗に詰めるので母さんによろしくな」 「へいへい」  千葉の店長経由で聞いた話だがオヤジの接客するのは同年代も多くなっているらしい。ちょこっとみにいったという母はあれていて特集雑誌を引きちぎっているのを見てしまった。 「安心できる自宅じゃないんだよな」  オヤジにはある程度店長に任せて家庭のことを大切にしてほしい。 (こんなの1年以上続けたら離婚届出されるぞ。家庭崩壊はしてほしくないな)  親子ともにもう有名になった。今日もイケメンの親友から電話だ。 「女子から自撮り撮ってもらえないかって聞かれたぜ。無理なら昔の写真とか、流せって」 「どっちも無理って伝えてもらってもいいかな?」 「やっぱりな。おっけー」 「すまないな」 「できる限りのことはする。友達が有名人になっただけで俺はうれしいって。体に気をつけろ」 「サンキュ」  電話が切れた。最近、母が家事をおろそかにするようになった。 (やっぱ、ショックだよな。あんなに生き生きしている姿なんて家庭では見ないもんな)  オヤジはまだLINE対応していない。メールで母親の様子を伝えた。 「母さん大切にしないと捨てられるぞ。もう進路決めたから時間あるときに話をしたい」 「明日、休みにするように掛け合ってきた。母さんを失ってはたまらん。進路についても聞こう」 「嫉妬か。母さん嫉妬深かったもんなぁ。女子と話すだけでにらまれるものなぁ」 「自覚あるならこの仕事辞めろよ」 「そうもいかん。もういろいろ管理する役目をまかされたからな」 「俺の進路はSEになる。専門学校に行って資格とるよ」 「そうか。医学系にはいかないのか」  しょんぼりしている。なぜかオヤジは医師になる道を選ばせたかったようだ。 そんな金うちにはないことはわかっていた。 「母さんとデートとかすればいいじゃん。オレの進学先が絞れたんだから想像以上に金貯める必要もないだろう」 「そうじゃな。高級ホテルに泊まろうか」 「勝手にしてくれバカ夫婦」 「ところでこんな誘いを受けたんだがどうだ?」  昨日テレビ局経由で誘いがあったそうだ。地方局企画のドラマの主演。もちろん王子様キャラだ。 「ありえるかぁ!!」  俺はさすがに絶叫した。
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