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高校2年へ
高校2年の4月になった。クラス替えでイケメン親友と同じクラスだったのが救いだ。何かあれば相談できそうだ。
割と遠くにある本社に向かった。この時点で16時45分。
「今日から働かせていただきます祐と申します」
仲間内に挨拶を済ませて、いざ接客と思っていたが、スーツ姿の女性によびだされた。
本社、本店といわれるだけあって、西洋をモチーフにした豪華な内装。
ソファもあるしテーブルも豪華だ。
(さすが本社、内装も豪華だし、中世ヨーロッパを意識したつくりになっているわけだ)
「今日ご案内します、伊丹です」
新人トレーナーは伊丹と名乗る女性。
「これが本社に属している執事一覧ですわ」
「かっこいい人ばかりですね。」
眼鏡をしていいてもかっこいい人、少しチャラい系の男性もいる。
どの人も総じて言えるのはかっこいいということ。
(千葉支店と比べるとレベルがダンチだぜ。こんななかで、俺なんか人気でないに決まっているじゃん)
「あなたには先輩の所作を見てもらった後、このように写真を撮って登録させてもらいます」
先輩執事の接客見本を見せてもらった。
「おかえりなさいませ。お嬢様」
本店では特別なサービスをしている。
魔法が欲しいといわれたら言わなくてはならない。この言葉。
「幸せになるしかないのございます、お嬢様」
そして手の甲へにkiss。
さすがに青ざめてしまう。
「執事じゃなくないですか? これじゃナイトってか婚約者というか」
「似たようなものよ。こういうときめきを女子は求めているわ」
「セクハラで訴えられませんか?」
大丈夫よと太鼓判を押されて、伊丹さんををみると恋する乙女の表情になっている。きっとこの会社には女子視点のトキメキを大切にするようだ。
「本社では新しい試みとして魔法キャンペーンをしています今年の4月から始めたものです。お嬢様の日々の活躍がうまくいくように手の甲にkissよ」
「……お坊ちゃまには??」
「するよていはないけれど要望があれば増やすわよ。次は写真ね」
写真家さんに取ってもらえた。
「うん。いい出来だわ」
(本人的にはスピード写真と変わらない感じしたけど、どうなんだろう?)
「今日の説明はここまでよ。お疲れ様。気を付けてね」
にこやかに接客の基礎の資料と税金面の資料、そして魔法キャンペーンの趣旨とやり方がマニュアルとなって配布された。
初日は時間のことも気にしてかそこで終わりとなった。
電車で揺られながら、ヤバい展開になってきたと冷や汗をかく。
(本当に学業に影響はないのだろうか?)
若干の不安も感じつつ、帰路についた。
自宅に帰って時刻は22時30分。
「これなら何とかなるかな?」
食事と風呂を済ませ、復習へと移る。なかなか英単語の熟語が覚えられないのだ。
とにもかくにもバイト先で魔法キャンペーンが始まった。
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