凡庸の異常

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凡庸の異常

平凡オブ平凡。凡庸な高校1年生。 小学生の時からイケメンの親友している。フツメンの俺。性格はいいほうだと思っている。 成績フツー、運動神経はやや鈍い。 総合的に中の中の中。 高校でも普通。 しかしオレにはヒ・ミ・ツがあって。 ☆☆☆  さかのぼること数日、下校しているときに声をかけられた。 他の友人は部活に入るらしいから一人で歩いていた。 「お兄さんバイトしませんか?」 無理に紙を渡されて、今面接会場。 「なんでこんなことに」 こっわくて、いかついお兄さん2人に挟まれて。 「これに必要なこと書いて」 「え?」 「ユー、はやく」 「イヤ携帯とかはちょっと」 「名前は?」 「栗原祐(くりはらゆう)です」 「ゆう!いいね。君に決めたっ」 「は?」  理解不能なんだが? 「これに着替えて。バイトさせてあげるよ」  これってタキシード? 「ハヤクキガエル!!」  左に居るお兄さんは外国人らしい。少し子音の発音が変だ。 ホールと呼ばれる場所にいくと 「おかえりなさいませ。お嬢様、おぼっちゃま」 「これって執事カフェのバイト」 「ほら、祐もいうの」 「お、お帰りなさいませ。お嬢様」  とりあえず5時間お嬢様に帰宅のあいさつをした。 「これるとき、丸つけて」  渡されたのはシフト表。 「イヤイヤイヤ。オレ、学生ですし」 「もちろんテスト前は配慮するよ」 (つーかうちの学校ってバイトオッケーだっけ?) 「ちょっと確認してみないとわかりません」 「明日教えてよ」  まさか明日も会うわけがないとおもってうなずいた。 「校則が問題ないならいいわよ。ただしテストの点数は赤点取らないようにね」 「校則的には問題ないな。親御さんには許可とれよ」 親と担当教諭に確認して一安心。まぁ会う気もないわけだけど。  一応、別の道で一番遠回りの帰り道になるように帰路に就こうとしたわけだが。 「お兄さん、待っていましたよ」  呼び止められた。外国人の兄さんに。 やはり顔も押えられているようだ。 今日もやはり 「お帰りなさいませ。お嬢さま」 これである。 ヨーロッパ的な外観は嫌いではないが、いかんせんこの挨拶にはなれない。 「てか、いやだ」 ここに●つけてね 「……マジですか」 「あなた、将来有望ね。もっと明るく接客してほしいね」 「あ、はい」 とりあえず週2から入ることになった。 時給は1300円だから気合入れて接客してね。 「高くないですか? 「若さが売りの商売だから高校生こそ高いのね。成人すると最低賃金だから心して」 シビアな金額設定である。そして写真を撮られた。 一応指名制というか顔を覚えてもらうことも必要だからうちの制服着て写真撮って。名前は本名でなくていいから。 なんかホストみたいな設定になってきた。 「じゃあ悠斗ってことで」 「髪もきちんとワックス使って整えて、ひげはもちろん駄目ね」 「ハイ」 一応接客練習ということでなれないながらも接客することになった。お帰りなさいませお嬢様。 外は暑かったですか? それではメニューをおもちいたしますね。 コーヒーカフェオレ、紅茶、ロイヤルミルクティー。 チョコケーキ、ショートケーキセットなど王道のメニューが並ぶ。 一連の流れは一般の感覚からいうと恥ずかしい。 しかし3回4回復唱していくと慣れてきた。(人間の慣れって怖いな) そしてドリンクや軽食を頼み終わり、会計になる。 その後は「またのご帰宅をお待ちしております。お嬢様」で終わる。
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