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決戦前夜
決戦前夜の緊急会議が始まった。私とジャンに加え、有力武将達が集められ作戦が伝えられる。明朝、日の出と共に攻め込み、王とジャンの部隊が敵陣深くへ突っ込み、混乱して逃げようとする部隊を他のメンバーが潰すというものだ。
そうは、させない。心を悪魔に売り飛ばしてでも王を殺して食い止める。
私は、これから行なう大勝負に向けて緊張でそれどころではない。会議の後半の内容は殆ど耳に入っていなかった。
会議も煮詰まり、王が話す。
「では皆のもの御苦労だった。これで解散にする。今日はゆっくり休んでくれ。明日は頼んだぞ。それと……ジャン、ニコラ、今から私の部屋に来てくれ」
「はっ!」「はい」
来た! これ以上のチャンスは、もう無いだろう。今更、王が私を警戒などしないだろうが、ジャンがいた方が油断するのは間違い無い。だが、問題はジャンだ。彼は聡明で、ちょっとした雰囲気で気付く可能性がある。
私達は皆、室内では長剣を持ち歩かず、護身用として『ダガー』と呼ばれる短剣を懐に持っている。このダガーで仕留めるには頸動脈に刺すのが1番だろう。当然、1発で仕留めなければならない。そうでなければ、2人に取り抑えられて一貫の終わりだ。
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