第四章 緑川麗奈

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翌朝目覚めると晴れやかな気分になっていた。きっと夢の中と言えども田本和子を黙らせることができてスッキリとしたみたいだ。 わたしは布団から出てトーストを焼き紅茶と一緒に食べた。 今日は仕事も休みなのでのんびりしようかなと思ったけれど部屋の片付けが終わってないことを思い出した。 その時、ふとさやカフェの森口さんからもらったクッキーを食べるのを忘れていたことを思い出した。 わたしは鞄に入れっぱなしにしてあるクッキーの袋を取り出した。 森口さんにもらってから一週間経つけれどなんとか大丈夫だよねとクッキーを朝食を食べていた白色のお皿に出した。 真っ白なお皿に星形のアイシングクッキーがキラキラと輝いている。 綺麗だなと思ったのと同時にこの星形のアイシングクッキーに見覚えがあるなと思った。 だって、この星形のアイシングクッキーは黄色やピンク色にそれから白色など色とりどりで綺麗でまるで夜空に浮かぶ星みたいなんだけれど……。 わたしが由美ちゃんに中学三年生のあの教室であげた星形のアイシングクッキーに似ているのだから。 あの時の由美ちゃんの迷惑そうな顔を思い出した。由美ちゃんはわたしからクッキーを受け取りありがとうと言ったけどその表情は迷惑そうに見えた。
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