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7 青春の絶叫!
夏生も秋穂も玄庵もただもうア然とするばかりだった。
(姉ちゃん・・・・)
心の中で竜馬は叫んだ。
「・・・・こ、これは父上、」
秋穂はあまりの歪なイチモツに吐き気さえ覚えた。
「性病の市場じゃな・・・・」
玄庵は呻った。
夏生は燃え滾る好奇心を抑えることができないくらいにワクワクしてきた。
ハサミの様なもので玄庵がナニを摘み上げた。
(触る価値もないというのか・・・・)
土足で心の中に踏み込まれたような気分だった。
(そんなことで医療の現場はいいのか!)
カサもカリも見事なまでの炎症だった。
舐めるように夏生は観察した。
そして貴重なものでも取り扱うように、そっと手にした。
(やめちくりーッ!そんな風に触られるのは、イチモツバサミで摘まれるよりも傷つくではないかッ!)
おまけに夏生の指先に刺激を受けてナニがムクムクと蠢きだした。
「懲りぬやつじゃのう、」
玄庵が笑った。
竜馬は必死に数を数えた。
「淋菌性尿道炎は疑いの余地さえありません、」
「・・・・亀頭部や包皮にブツブツが出とるようじゃが、」
「尖圭コンジロームです、」
「こいつがか!」
逢いたかった思い人にやっと出逢えたような感慨が玄庵をつつみ込んだ。
「放って置くとニワトリのトサカのような腫瘍に成長するのだったな、」
「ハイ、」
「そこまで見たいもんじゃが、」
チラリと竜馬を見やると潤んだ眼差しで一心に天井を睨みつけ、何事か呟いている。
「お姉様、リンパ節に腫れがあります、軟性下疳かもしれません、」
「とにかくうみを採って早急に検査してみないと、」
玄庵は自ら開発した膿採り吸引機の準備にかかった。
が、
「秋穂、膿掻き出し棒、」
素っ気なく夏生は言った。
秋穂も玄庵もそれは、という表情を浮かべた。
しかし、夏生の眼は輝いていた。
躊躇っている秋穂を睨みつけると、自ら膿掻き出し棒を器具箱の中から摑み出し、うれしそうに竜馬の顔を覗き込んだ。
「あとで少し血も採ります、梅蒼の疑いもありますが、スッピロへーターには潜伏期間というのがあって間三ヶ月以上経たないと菌が動き出しません、ですからまず淋病の膿から掻き出す事にします、」
「ハイ、」
素直に頷く竜馬の眼前に、膿掻き出し棒を指しだした。
「!」
「これを竜馬ドノのナニの先っぽから突っ込んで、」
「やめちくりっ!それだけは勘弁しちくりッ!」
竜馬は叫んだ。
「武士でしょッ!」
「そんなもんやめちゃるッ!」
竜馬はもがいた。
「情けないこというものではありませんッ!男でしょッ!」
「男もやめるッ!」
「女性の性を弄んだ天罰ですッ!」
(ううーッ!)
竜馬は言葉を失くした。
(それを言われると・・・・)
「では掻き出しやすいように、ちょっと勃起してもらいます、」
言うや否や夏生は竜馬の肛門にグビッと中指を突っ込み、グニグニと掻き回した。
「ああーッ!」
意志とは関係なく竜馬のナニはいっぺんにそそり立った。
「元気じゃのう、青年!」
玄庵がカカと笑った。
そして診察室を覗き込んでいた半平太と重太郎に向かって、入って来るようにと言った。
「この若人の手を握ってやっちょってくれ、」
「嫌じゃあッ!」
竜馬は必死に抵抗した。
でもその右手を半平太がしっかりと握りしめ、
「わし、このことは誰にも言わんきに、」
といってヒヒと笑った。
(もうこれで土佐中に広まるっ!)
「拙者がついてます、竜さん、」
重太郎ドノがやさしく左手を握りしめてくれた。
(今度生まれ変わって、もしワシが女な子じゃったら、重さんの女房にしてもらうゾナ、ワシは尽くすゾナ、)
見事にイキリ立った竜馬のイチモツを、ガバチョと摑んだ夏生が膿掻き出し棒を握り直すと、一気にその先端へ、
「!」
竜馬は絶叫した。
そしてそのまま失神してしまった。
ポテチン、である。
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