ガラス細工の恋だから

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気まずい時間が流れた。 淡々と仕事をする二人。 でも…パソコンなどの機械音に 混じって…互いの鼓動が ・・・響き合う・・・。 意識しているのは 私だけでなく、宗介も。 自惚れてしまうくらい、 宗介の顔は火照りを見せていた。 「よし…今日は…  ここまで…」 「はい…じゃあ…  お先に…」 ドアへ急ぎ足。 ところがすぐ、 「コート!コート!  忘れてる!」 私のコートを持って 廊下を追いかけてくれた。 「こんな寒い日にコートを  着て帰らんかったら、風邪…」 振り向くと目が…合った… そして… 抱き締め・・・られた。 穏やかな彼とは真逆の 強く激しい抱擁と口吻(くちづけ)。 「俺も…好きや…」 ・・・呟きは 秘密の恋の 見えないオアシスを探す 不毛の恋の始まり・・・。
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