ガラス細工の恋だから

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   春夏、秋冬…       季節は巡る…。 九時に事務所へ出勤して 先生方の補佐をして 来客にお茶を出して 合間に勉強する… …これは嘘だった。 資格試験の本を開きながらも 集中しているのは携帯電話。 宗介からの連絡を ただ待つ…待つだけ。 女友達とも疎遠になる。 次々に家庭を持ってゆく 友人達を見ることは 宗介の家庭を見るようで 切なかったから…。 たまに食事をするのは この弁護士事務所を 紹介してくれた鈴子だけ。 鈴子は、二十八を過ぎても 大学院に残っていた 大学時代の同級生。
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