ガラス細工の恋だから

3/32
前へ
/32ページ
次へ
宗介は兄貴的ポジションの上司。 上下関係を感じさせずに 部下に接する。そのくせ 抑え力ある大きく澄んだ瞳。 逆に上役には露骨に 楯突くこともなければ 媚びへつらうこともない。  「浪速生まれの浪速育ち、   喋りと立ち廻りは巧いんや」 冗談めかしていたが 他人より早く出社して どの部の情報も頭に叩き込んで 部内の人が動き良いようにする 気遣いの半端無さには 教えられることが多かった。 ただ・・・だからと言って 18才も離れた宗介を 好きになるとは その頃は想像したことすらない。 ただ…恋の始まりとは、 ある朝、突然気付く 道端の花の蕾のようだと、 そんなことを憶えた男が… この宗介だったのだ。     
/32ページ

最初のコメントを投稿しよう!

87人が本棚に入れています
本棚に追加