87人が本棚に入れています
本棚に追加
互いを労った後、
ポツポツと解散…。
更衣室から戻ると
宗介は独り、デスク横の
小さなソファで
寝息を立てていた。
大仕事を終えたその顔が
生意気ながら可愛く、愛しく思えて
普段自分の使う膝掛けを
そっと身体に被せると
宗介の手が動いた。
「あ…つい寝てしもた…
皆帰ってたか…」
「すみません、起こして」
「餅たらふく食う夢
見てたわハハハ
埼玉に帰れんかったやろ?
ごめんな、親御さんも
待ってはったのに」
「大丈夫です。学生の時も
スキーや海外で帰らないことが
多かったし」
「なら余計、この帰省、
楽しみにしてはったやろ…。
なんとか埋め合わせをせんと」
穏やかな関西弁は
宗介の人柄そのものだと
改めて思った冬の午後。
最初のコメントを投稿しよう!