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帰宅準備をして、いつものように校庭に向かうと、智也はまだハンドボールの練習をしていた。試合形式の練習は終わったみたいだけど、智也はシュートの練習を黙々としていた。智也はとにかく努力家だった。
私は延々とシュート練習をする智也をぼんやりと見つめていた。周りのざわめきはいつの間にか耳に入らなくなって、世の中に、シュート練する智也と私だけしかいないような気がした。
知らず知らずのうちに私の頬は涙で濡れていた。
この人と別れると言うのだろうか。
息がつまりそうになって、私は咳き込んだ。
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