名前で呼ばねぇでくだせぇよ

12/33
前へ
/33ページ
次へ
 ふと、父のTシャツがカラフルになっているのに俺は気付く。 真っ赤な染料をぶちまけたような、パンクロッカーとかが好きそうな感じに。  キモヲタ野郎と母に罵倒されつつも、父は己の身なりを整えようともせず、いつも煮しめたような色のTシャツを着用している。 たいていは無地で元は白の、ベージュ色のTシャツが主なワードローブだ。 今着ている派手(パンク)な柄のTシャツも、生地はいつもと変わらんなと思った瞬間、俺はある事実にたどり着いてしまう。
/33ページ

最初のコメントを投稿しよう!

23人が本棚に入れています
本棚に追加